介護の仕事ってなぁ、予定通りにいかないのが当たり前。特に日曜ともなりゃあ、職員の数が限られてる。
さて、ここにいるのが1人の職員。何かを焦っているのか、それとも手際が良いのか午前中に風呂入れをチャチャッと済ませちまって、午後のレク担当に相談した。『今月は冬のレクで、チョコファウンテンをやりてぇんだ。今日は予行練習をさせてくれ』ってな。」
「おやっさん! 何を台所で唸ってやがるんだ。」
「ああ、日直さん。先月、チョコファウンテンに挑戦したんですがね、チョコがカッチカチに固まっちまって、噴水どころか**『チョコの盆栽』**になっちまったんです。今日こそはリベンジですよ。」
「ほう、気合が入ってるね。で、材料は揃ってるのかい?」
「それが……肝心の牛乳がねえ。でも、そこは臨機応変が売りの小規模職員。知恵を絞りましたよ。水にココアの粉、砂糖、それにコーヒーミルク……これらを混ぜりゃあ、理屈じゃあ牛乳になるはずだ!」
「おいおい、ドリンクバーかいな。でぇじょうぶか」
「大丈夫、大丈夫。こいつを混ぜてぇの、温めはレンジでぇい!時間は勘だ! 目視だ! 職……おっと、いい色になってきた。
(ゴボゴボ……)
「チョコが**『泥沼』**みたいにドロリとして『これ以上は勘弁してください』って唸りを上げてやがる。」

「そりゃそうだ。水とチョコは相性が悪いって相場が決まってるんだ。こいつはただのチョコココアだ」「弱ったな…、よっしゃ!なら作戦変更でい! 噴き出すのがダメなら、こっちから突っ込んでやる!」
「お、何をするん?」
「菓子やらを、このチョコにぶち込みコーティングして冷やしてやるんです。名付けて『チョコバナナ方式』でい!」「ほう。で、反応はどうだったんだい?」


「『これはこれで乙なもんだ』って喜んで食べてくれましたよ。」

「そいつは怪我の功名だ。俺も食べたい所だがまだチョコが固まって無いからもう少し冷やして食べるかな」
「お後がよろしいようで。」